国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)は、通信・放送機構(TAO)時代の2002年に512台のPCサーバを相互接続スイッチで接続したテストベッド設備「StarBED」*1を構築。大規模汎用インターネットシミュレータとして運用を開始し、ネットワークシミュレーションやネットワークの挙動の把握・解析・予測等を研究テーマとする第1期プロジェクト「StarBED1」*2が始まりました。
「StarBED」を構築した基本コンセプトは、必要に応じて各研究機関が個別に構築していたシミュレーション設備を常設し、複雑かつ大規模なシミュレーションを実施できるテストベッドとして、インターネットの研究開発を支援することにありました。このテストベッドの活用により、設備・ツール・知識の共有と再利用が促進され、研究開発の低コスト化やR&Dサイクルの短縮などの利点が実証されました。
これを踏まえ、2006年にはStarBED設備を拡充するとともに、プロジェクトのミッションスコープをユビキタスネットワークに拡大した第2期プロジェクト「StarBED2」を開始。バイナリコードレベルで最終製品に近い形のシステムを検証できる1,000台以上のPCサーバからなるテストベッドを構築し、有線のみの環境ながらも無線環境を検証できる大規模な環境を提供して参りました。
2011年から第3期プロジェクト「StarBED3」がスタート。ミッションスコープを新世代ネットワーク及びそのセキュリティ、サービスに関する技術の研究開発に拡大するとともに、さまざまな有線・無線が混在したネットワークやサイバーフィジカルシステムへと手法の拡大いたしました。
そして、これらのすべての成果をさらに広く応用するため、2016年から第4期プロジェクト「StarBED4」を開始。すべての人、そしてすべてのモノがネットワークに接続されるIoT時代の検証基盤を構築するため、PCだけではなく携帯電話やセンサーなど常に身近にあるデバイスが動作する基盤と、それらをつなぐ温度場や電磁場までも検証環境に取り入れるための研究開発を行うとともに、次世代の製品開発を加速化する一助となるためのテストベッドを提供していきます。
StarBED4プロジェクトでは、StarBED3プロジェクトから引き継いだものも含め、次の研究トピックに取り組んで参ります。